ムスタングスーツ落水実験

その2

まずは結果概要を表にまとめ、その後に詳細を紹介します。



項 目

ムスタングスーツ

カッパ、ライフジャケット

浮く姿勢

仰向け
枕(首の後ろのフロート)を膨らませばさらに快適

直立

浮力

十分(負荷10kgまでOK
背中にもう一人つかまって浮いていられた

ぎりぎり
ライフジャケットの着用方法を間違えると浮力不足

浸水の仕方

じわじわと

急激に浸水
カッパ内の空気が一気に抜けるので不安感が大きい。知らないとパニックになるかも。

浸水範囲

全身
心臓付近も浸水した

全身

浸水した水の温度(服の内側)の変化

体温に収束

外水温(プールの水温)に収束

浸水した水の体感温度

10分近くからぽかぽかしてきた

裸と変わらない印象

低体温症防止

冬の海で問題なく使える印象
安心感はかなり大きい

厳しい
低体温症防止の姿勢を取ろうとしたが無理だった

装備

笛がない

笛つき

結論

陸上、船上で作業性が確認されるなら素晴らしい商品
笛が付いていないので、買う必要あり

落水時よりも陸用、船上の作業性を重視した商品
着用方法による浮き方の違い、落水時の空気の抜け方は熟知しておく必要あり

雑 感

 ライフジャケットは、陸上での作業のしやすさに重きを置いて考えられたものなのだろう。浮力体を大きくすれば作業性は低下してしまうし、小さくしすぎれば浮かなくなってしまう。そのギリギリのバランスを持っているように感じた。また、正しく装着しないと、きちんと浮かない事も知った。落水後、カッパの中の空気が急激に抜け始める時の不安感は大きく、もしライフジャケットをきちんと装着していなかった場合、顔面が水に浸かるくらいにガバガバッと一気に沈んでしまう。カッパ内の空気が抜けるだけなので、慌てなければ浮いていられるが、パニックになったら大量の水を飲む事になるだろう。ライフジャケットの正しい装着および一気に沈むことを知っておくことをが重要だと思った。

 ムスタングスーツは、仰向けで浮かべるので安心感があり、浸水後スーツ内水温が上昇したことから、冬期作業にはかなり使える代物であると確信した。枕(首の後ろのフロート)に空気を入れれば、思わず昼寝ができてしまいそうだ。次は冷たい海で実際に浮かんでみたい。ただ、心臓より上部は濡れないと言う噂は間違い。笛は購入の必要あり。また、服がかさばるので作業性の確認が必要。





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